2005.3.10 ~ 2005.3.25 平成17年 結城市議会 第1回 定例会


たちかわひろとしの一般質問 全文掲載(3回目)
 
 
今回の一般質問の質問・答弁の全文を掲載しました。

量が多いですが、気長に読んで頂ければと思います。

 
1回目の質問・答弁 2回目の質問・答弁 《3回目の質問・答弁》

 

3回目の質問・答弁



《結城市の財政状況について》


 3回目の質問をいたします。

 まず、未収金の増加についてでございますが、バランスシート上、

未収金も資産の総額として数値がふえていっているわけで、大枠を見た場合、

資産の増加という読み取り方ができますが、これは先ほど来申し上げているように、

将来、不納欠損に化ける可能性のある数字として心配をしております。

もちろん、執行部の皆さんが、不納欠損にならないよう全市を挙げて

滞納整理に取り組んでいるのは存じ上げておりますし、未収金を資産として

計上している件につきましても、利潤追求を主とした民間企業の考え方の中で、

未収金を将来回収できる資金、いわゆる売掛金という意味合いで資産として

計上している制度上の背景も十分存じ上げております。

 しかしながら、自治体に当てはめる場合には、むしろ損失になる可能性のある

額として計上した方が、財政事情をより正確に把握できるかと思います。

この点は、結城市独自の手法として分類を切り分けるなど、総務省指針の

一歩上を行くような手法の策定をしてもよいのではと考えております。

 また、こういった厳しい表現をしていくことで、市民の皆さんに、

行政にお願いするという考え方から、受益者負担の考え方を理解していただき、

移行するための材料としても活用できると考えております。

 続きまして、市債を使わない予算という考え方についてでございますが、

減税補てん債が地方交付税の一部を担っているという点など、

市債を活用しないという予算編成は考えにくいという状況下であるかと思います。

あくまでシミュレーションの形で、どのくらいの予算規模になるかを正確に把握し、

その数値やどういったサービスに影響を来すおそれがあるかなどを市民への

皆さんへの説明資料として提示することによって、今の厳しい財政事情を

理解してもらえる一助になるのではと考えております。

 実は、「市債を使わない考え方」という意見を述べるに当たって、

平成15年度末の市債の状況で毎年の返済額がどのくらいになるかを

私なりに概算で計算をしてみました。私の計算では、一般会計、特別会計の

13会計で試算した限りでは、平成17年度から4年間は、28億円、26億円、

24億円、22億円と、20億円先の返済額。そこから先は、19億円、18億円、

16億円、13億円、12億円という結果でございました。

 あくまで概算と申し上げましたのは、平成15年度の結城市決算審査意見書の

83ページから99ページに掲載されている市債の一覧表にて、各事業ごとに

返済完了年度をもとに残高を年数で割り算し、各年度に展開をし、

これを積み上げるという形で単純に計算をしたため、利息が正確に

乗っかっていないという点や、平成16年度の起債分が加味されておりませんので、

正確ではありませんが、この手法で計算した場合、平成17年度の一般会計での

返済額と平成17年度当初予算の市債返済額の差が1億円でした。

 また、13会計全部足してみた場合には、私の計算の28億円に対し、

予算書上では、概算で30億3,000万円という数字が計上されておりましたので、

利息を1割ぐらい加味すれば、比較的近い数字なのかなということで、

この場で述べさせていただきました。

 さらに、この数字に対して、来年度以降もいろいろな事業による起債が

見込まれることから、この数字にプラスされるものもあるわけですし、

さらに今後、高齢化を迎え、先ほど孝井議員からもご指摘がありましたように、

考慮を入れると、厳しい状況が続くことは言うまでもありません。

できることなら借金をせずに、また、当然のことながら、返済を超える借金を

することのないような行財政運営を強く要望させていただきます。

 続いて、財政調整基金を複数年にわたって確保する考え方についてで

ございますが、全国の事例を勉強してみたのですが、東京都文京区にて、

そういった考えを導入しておりました。文京区では、ニュー・パブリック・マネジメント

による予算編成手法という考え方で、資料などもホームページに掲載をして

公表をしておるようです。いわゆるこのNPMの考え方につきましては、

前回、平成16年結城市議会第4回定例会でも篠崎議員からの提案もあり、

細かいことは、この場では割愛しますが、文京区の資料によりますと、

これまでの均衡財政による予算編成から、政策枠を設けるという考え方への

転換ということで説明をされておりました。

 その中で、財政調整基金のあり方についても触れられており、各部局に

インセンティブ、いわゆる報奨制度を設けて、目標を達成し、なおかつ

実質的収支額の黒字の出た部局については、翌々年度の予算編成時に

その4分の1を優先的に配分し、残りの4分の3を財政調整基金に回すという

考え方でございました。翌々年度となるのは、会計を締めた翌年度の

決算審査を経てからとなるため、結果を出してから直近の予算編成が、

翌々年度の予算編成となってしまうためであろうと理解をしております。

 また、財政調整基金の運用を、総額予算に対しての不足額を埋めるという

考え方から、予算編成時に各部局に予算を配分し、事業を行う上で不足した分を

部局に対して融資するという形とし、財政調整基金への返済計画を添えて

区長に対してプレゼンテーションをし、認可を受けて活用するなど、

単なる不足額の調達という視点から、貸出制度と返済計画に基づいた

計画的運用という見地に立って活用するというものでした。

 こういった事例が全国にも数多く存在するでしょうから、調査・研究に取り組み、

活用をしていただきたいと強く要望をさせていただきます。


《災害に強いまちづくりについて》


 最後に、災害に強いまちづくりに関してでございますが、

先ほど市民生活部長から答弁のありましたように、

「自分たちのまちは自分たちで守る」、これは本当にこの考え方で取り組むべきと

私も考えておりますし、執行部側でも、自主防災組織の育成のために施策を

考えている姿勢がよくわかりました。昨今の経済状況の冷え込みの中では

ありますが、ハード的な整備に加えて、いわゆるソフト事業的な部分での

育成の必要を考えて、今回、地域連携、ボランティアとの連携という意味合いで

質問に取り上げさせていただきました。

 人と人との連携は、お金だけで実現できるものではなく、日ごろの地道な

努力が実を結ぶものであると私自身は考えております。

だからこそ、財政の状況とは関係なく、お金をかけずに、時間をかけてじっくりと

地域を育てて取り組んでいただきたいと考えております。

 このボランティアと地域の連携の必要性という点につきましては、

先日、とあるシンポジウムに出席をする機会がありまして、その中で耳にした

言葉でございます。去る平成17年2月4日に、茨城県立県民文化センターで

開催をされました「福祉コミュニティづくり推進の集い」というシンポジウムに、

結城市社会福祉協議会傘下のボランティア団体の皆さんと参加をする

機会がございました。このシンポジウムで、防災における地域コミュニティの

必要性をいろいろな視点から勉強するよい機会となりました。

 ひたちなか市大成町自治会では、町内会として防災訓練、防犯パトロールを

推進し、警察署や市役所へその状況を報告し、問題点を行政や警察署と一緒に

解決するという視点で活動をされているという事例が報告をされておりました。

 また、茨城大学生涯学習教育研究センター助教授の長谷川幸介氏は、

阪神・淡路大震災でのボランティア活動の経験を踏まえながらの講演の中で、

災害ボランティアの芽が育成されつつある。また、地域自治会の育成も

徐々に進んできている。しかしながら、この2つの連携が、まだまだ少ない。

この2つが連携することにより、地域防災ネットワークづくりが画期的に

進歩するということを述べられておりました。

 こういったコミュニケーションづくりは、先ほども述べましたように、

時間のかかる取り組みですし、防災という施策自体が、いつ起きるか

わからないものへの対応であるため、一見、後回しにされてしまいがちなもので

あるかもしれません。しかしながら、いざというときのための対策でもありますし、

こういった部分の充実も、住みよい安心なまちづくりの一環であり、

長い目で見れば、結城市に住みたいなという、人の気持ちを引きつけるような

施策に発展する可能性のある取り組みと考えております。

 また、今後、こういった地域中心の自主防災組織が形成される中で、

各自治会の集会所の施設などにも防災無線の設置や緊急時の基地としての

機能を整備していくときが来るのではと私自身は考えております。

耐震設備や防災無線、備蓄といったハード的な整備もさることながら、

今まで述べましたように、人と人との連携を視点に置いた防災への取り組みも

強く要望をさせていただきます。
 
 
 最後になりますが、災害に強いまちづくりについて、結城市の財政状況に

ついて、小西市長からご所見をいただきまして、今回の一般質問を終わらせて

いただきます。

 ありがとうございました。

  
 

《 答弁者 : 市長 》



《結城市の財政状況について》


結城市の財政状況についてでございますが、本市の財政状況は極めて

厳しい状況であり、平成17年度当初予算案におきましても、財政調整基金から

4億1,000万円、減債基金から1億2,000万円を繰り入れて歳入の不足を

補っているのが現状でございます。今後におきましても、抜本的な行政改革を

推進し、財政健全化に努めてまいりたいと思っております。

 また、立川議員からお話がありました財政調整基金につきましての考え方も、

あと少し、ただ足らないから補充するんじゃなくて、さっきもお話がありましたような

方法も考えながら、よりよい運用を図っていきたいというふうに思っております。
 
 
《災害に強いまちづくりについて》


 次に、災害に強いまちづくりについてでございますが、近年、非常に大きな

自然災害が多発し、市民の災害に対する危機意識が高まっております。

今後起こり得る可能性のある南関東直下型地震を含め、災害に対して市の役割、

また自主防災組織とボランティア団体等の役割を再認識し、

災害から生命・財産を守ることを最優先に、より一層の防災体制の強化を

図っていきたいと思っております。

 なお、これもご提案がありましたように、各町内会、自治会、それとボランティアが

連携することにより、より地域の防災ネットワークが整い、対応がちゃんと

できるというふうなこともあろうかと思いまして、その辺につきましても、

いかにこれからボランティア、自治会との協力をしていくか、その点についても

今後研究をしてまいりたいと思っております。
 
 
 

 
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